連載コラム
『RPA活用事例』

第2回 たくさんある業務サーバの動作確認

2019.10.8

業務背景

色々な業務がシステム化され、業務サーバがたくさん起動されているような環境では、各サーバの動作確認をするのも一苦労ではないでしょうか。

運用管理ソフトで一括管理できるようにする方法もありますが、単純に人が目視で動作確認をするような場合であれば確認業務をロボットに代行してもらうことも一手です。

今回はそのような事例をご紹介します。

ロボットの概要

※下記文中では弊社製RPAツールecoLLabo RPAでの操作をご紹介していますが、他社製のツールでも同じような定義は作成できると思いますので、画像や手順を読み替えてご参照ください。


1.異常な状態の検知

まずは「何をもって異常な状態を検知するか」というのを考えてみます。データベースが停止している、ネットワークが切断されている、様々な異常状態が考えられますが、その各々の異常状態を列挙するのは少々大変です。

そこで逆転の発想で「正常じゃない状態を異常とする」という検知の仕方を考えてみましょう。

正常な状態の画面の画像を定義しておいて

この画像が見つからなければ「正常ではない=異常」と判断するという作戦です。

ただし、上記の画面には“顧客名”、“住所”という欄があり、この値は状況によって変わりうるとします。その場合、上記の画像全体を記憶して画像検索をしてしまうと、正常か異常かの判断が誤ってしまう可能性があります。

なので、可変な領域を避けて画像を記憶させておくことにします。

そして、画像検索の結果、見つかったか/見つからなかったかの条件分岐を定義します。


2.異常検知時の業務デザイン

条件分岐ができたら、正常な時、異常な時、各々の業務デザインをします。

例えば、確認結果を人間に知らせる方法では

  • ●正常でも異常でも検知するごとにログに残す
  • ●正常な時はそのまま、異常な時のみ担当者にメールをする

というバリエーションが考えられます。

また、確認処理を継続するかどうかも

  • ●異常が検知された時点で確認処理をやめる
  • ●異常が検知されればログやメールを残すが確認処理は継続する

というバリエーションが考えられます。

これらの業務デザインを決めた上で、ロボットにふるまいを教えてあげます。

まとめ

このようにRPAを使って定型業務を自動化することができます。

特に難しいことは考えないでいいのですが、日頃、自然な流れでやっている業務をあらためて見つめ直す必要があるかもしれません。

「自分は何を見て異常かどうかを判断しているのだろう」

「自分は異常が検知されたときにどういう対応をしているのだろう」

このあたりが分解できれば、ロボットは強い味方になってくれます。