連載コラム『製造現場でのスマートデバイス活用』

第2回 技術支援でも大活躍

2016.8.5

連載2回目は、製造業の重要課題の1つである「技術支援」にフォーカスをあてて、スマデバをいかに活用できるかをご紹介いたします。

Googleで検索しているかのように

多品種少量生産であれば、リピート品がくる間隔が長いため、前回と同じ作業を行ったのは、半年前だったりすることはよくあることだと思います。そのため多品種少量生産ほど作業マニュアルが重要だとよくお聞きします。
紙ベースの作業マニュアルで運用している場合、当該の作業マニュアルをたまにしか見ないため、「どこの棚においたか?」、「どのページにあったか?」探すのに一苦労することも多いようです。
最近では、企業向けの文書管理システムもスマデバに対応し、全文検索(以下のイメージのようにPDFやMicrosoft Officeファイルの中の文字列まで検索)の機能も標準で搭載しておりますので、作業マニュアルを電子化して文書管理システムに登録しておけば、Googleで検索するような操作で目的のドキュメントにたどり着くことができます。

全文検索機能で目的のマニュアルを検索(ecoLLabo MES

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また、テキストマイニングの技術も日進月歩で進歩しており、キーワードに近い意味も含めて検索することも可能となってきております。

直感的操作で作業をナビゲーション

作業マニュアルの電子化に触れましたが、例えば、PowerPointで作業マニュアルを作成しておくと、「左にスワイプで次の作業手順」、「右にスワイプで1つ前の作業手順」というように直感的に操作しながら、作業を1つ1つ確認することができます。
また、アームバンドでスマデバを腕に装着しておけば、手を滑らせて端末を落としてしまうような心配もありません。
これにより、作業ミスを減らし、不良率軽減につなげることも可能になるかもしれません。

作業手順書の利用イメージ

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また、スマデバ上でPowerPoint ファイルを編集することも可能なので、マニュアルに誤りや、改良点があれば、その場で修正して、サーバーにアップロードといったことも可能です。
静的な作業マニュアルだけでなく、作業動画を作成しておけば、静的な画像では表現しにくい動きも確認でき、あたかも、ベテラン社員が目の前で実演してくれているかのように確認することができます。手順書の作り込みには手間がかかりそうですが、整備することができれば経験の少ない作業員でも、ベテランに近い作業が短期間でこなせるようになり、品質向上やコスト削減といった効果も期待できそうです。

遠隔地でも身振り手振りを交えて支援

10年ほど前から普及しているWeb会議システム、こちらもスマデバで利用可能になっており会議室間だけでの利用から、作業現場や外出先からでも利用可能となっています。
このWeb会議システム、会議だけでなく、製造現場の様々な用途に利用することができます。
例えば、製造業の現場で何らかのトラブルが発生した場合、現場の状況をビジュアル的に確認しながら、事務所や外出先にいるベテランが、身振り手振りを交えながら現場の若手を支援するといった利用方法もあります。
他にも、気になるラインに固定のWebカメラを配置することにより、スマデバから遠隔監視するという使い方もできます。
もちろん、本来の用途として、例えば、営業担当、工場担当や仕入先の3者を含めた納期確認会議、仕様確認会議などの遠隔会議としても利用できます。

スマデバにも対応したWeb会議システム(IC3

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Web会議システム利用時のイメージ(IC3)

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今回は、「技術支援」においての活用例をご紹介いたしました。
次回は、最近話題の「IoT」にフォーカスを当てて、スマデバをいかに活用できるかをご紹介いたします。
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